大判例

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福岡高等裁判所 昭和59年(う)302号 判決

本件は道路外施設から一般道路に進入し右折しようとする場合で,かつ,進入右折車の進路右側に普通乗用自動車が駐車している場合であるところ,一般道路を進行する車両の運転者においては道路外から道路内に自動車が突如として進入してくるのを予測せずに運転しているうえ,駐車車両の陰となって道路外から道路に進入してくる自動車を発見しにくいのであるから駐車場より一般道路に進入する被告人において万全の注意を払わなければならない事案である。加えて,被告人としても右方に駐車している自動車のために右方に見通しの利かない死角も生じているところ,その窓越しに安全を確認するのであって右方の状況がかなり見えにくいのであるから,道路に進入するに当り一時停止して右方の安全を上体を前後して少くとも一秒位の暫時の間充分に確認するのはもとより,自車が通行中の車両等に充分認識されるようになるまで最徐行しておもむろに進行しつつ右方から進行してくる車両の有無の確認を続けるべき注意義務があるといわなければならない(もっとも,被害者は制限時速を約20キロメートル超過する時速60キロメートルで走行していたこともありうるのであるが,被告人は,被害車両を現認できるのに,これを確認していなかったのであるから,その速度超過は過失の成否そのものとは関係がない。)。被告人はこの義務を果さなかったものといわざるを得ない。

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